かつてこのまちでは、ハタオリの音がそこかしこに響いていました。今でも工場に行くとガッシャンガッシャンと機を織る音が、染物工場に行くと水が流れる音が、撚糸の工場では糸を紡ぐ音がそれぞれ聞こえてきます。その規則正しいリズムは時にこどもの子守唄になったり、機織り関係の仕事に携わる人にとってはずっと脳裏に残るこの街ならではの音になっていました。
音楽を通して歴史を紡いできたこのまちの日々を伝えたいという思いのもと、毎年ハタフェスのクロージングとして音楽会を企画しています。今年も会場は下吉田第一小学校の体育館。いわゆるふつうの体育館を、毎年ハタフェス装飾チームのみなさんが素敵な会場にしてくれます。
今年のクロージングライブで演奏していただくのは、シンガーソングライターでありピアニストの森ゆにさん。
ハタフェス初回から何度もクロージングライブに登場しているので、過去のライブに参加された方は馴染み深い方も多いはずです。これまでは他のアーティストの方との共演やゲストとしてステージに上がっていただきましたが、今回は1月に5th album「solitary」をリリースした森ゆにさんソロでのステージとなります。
ハタフェスと森ゆにさんの歴史を語る上で欠かせないのは、ハタオリマチのテーマソング「LOOM」。
音楽家の田辺玄さんと共に、写真家の濱田英明さんが撮影したハタオリマチの映像に、なんとサプライズで音楽を付けてくれたのです。お二人が「機織り産業を支えて働いている人たちへ捧げる讃歌」と呼ぶこの曲には、このまちのいとなみや機屋さんたちへのリスペクトの想いが込められています。つい口ずさんだり身体を揺らしたくなるメロディのLOOMはまちの人に愛され、すっかりハタオリマチのテーマソングとして定着しました。
今年もハタフェスの終わりに、会場のみんなでこの曲に耳を傾けるひとときが待ち遠しいです。
みなさんもぜひ、森ゆにさんの新しいアルバムを聴きながら、ライブをたのしみにしていてください。
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【音楽会】ハタオリマチニヒビクウタ vol.09 演奏 : 森ゆに
日時 10月20日(日) 17:00開場 17:40開演
場所 富士吉田市立下吉田第一小学校 体育館
山梨県富士吉田市新町1-8-1 ※小学校グラウンドが駐車場
出 演 森ゆに
料 金 2,000円(当日イベント会場にてお支払いください)
持ち物 座布団やラグなど座るときに必要なもの、スリッパ
申し込み方法 下記の申込みフォームからお申し込みください。
https://forms.gle/RiYYbv1dAQMxSc4N8
※中学生以下無料。
問い合わせ先 : hataorifes@gmail.com
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森ゆに
シンガーソングライター・ピアニスト。
バンド活動を経て2009年ソロ活動開始。
2024年1月、5作目のオリジナルアルバムとなる「solitary」をリリース。
このほか2012年、制作の原風景のひとつとも言えるシューベルトの歌曲を弾き語りにておさめた「シューベルト歌曲集」を発表。
また2019年より青木隼人、田辺玄とのユニット「みどり」の活動をスタート、ボーカルを担当。
https://moriyuni.net/